赤松町の災害について考えましょう

1.地震津波

 近年、日本国内において地震津波等による激甚災害が増えています。1995年に発生した阪神・淡路大震災や、2011年の東日本大震災と沿岸部を襲った津波、さらに2016年の熊本地震と2018年の北海道胆振東部地震は記憶に新しいと言えます。

 私たちが予測しうる災害として最も大きなものは、大規模地震であり、私たちはその発生を常にイメージする事が必要です。特に自分の住む地域の特性を理解し、「正しく恐れる」事が重要です。

 私たちが災害時に守るべきは「命」で、まず自分そして家族を守りましょう。最近の地震による三大死因として掲げられているのが次のものです。

 (1)家屋倒壊・家具転倒

 (2)津波

 (3)火災

津波について】

 赤松自治会のある赤松町は、海岸から2km以上離れており、海抜13m前後の地域です。従って、「茅ヶ崎市津波ハザードマップ」に示された浸水想定区域からは外れています。下図は赤松近くのみを抜粋しました。東日本大震災時の津波のように、「想定外」とか「未曾有」という事の無いよう、発生頻度の極めて低いものを含めて見直されたハザードマップです。

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津波ハザードマップ抜粋

 ハザードマップで示されたように、赤松地区に津波が押し寄せる確率は極めて低いと言えます。そのため、赤松地区において、地震による被害で恐れるものは(1)家屋倒壊・家具転倒 と(3)火災 になります。

 

【家屋倒壊・家具転倒について】

 特に戸建ての場合、築年数が古く(1981年以前)耐震構造になっていない場合は、家屋倒壊の危険性があります。阪神・淡路大震災の時には、死者5,500名の83%が家屋倒壊や下敷きが死因でした。さらに、その9割の死者の方は地震発生後15分以内で死亡(圧死・窒息死)していた事が判っています。倒壊家屋の多くは1981年制定の耐震構造を満たしていませんでした。

 家屋倒壊による犠牲者は、助け出す間もなく死に至るケースがほとんどである事から、事前に備える事(=家屋の耐震化)の重要性が判ります。また、倒壊家屋から助かった一部の方のほとんどは、自力や家族、近隣住民の手で救い出されており、救助隊等の行政によるものは2%に過ぎませんでした。自分の家が倒壊せず助かる事は、近隣住民を助ける人手が増える事につながるので、「家屋の耐震化と家具の固定」が、最優先で取り組むべき課題と言えます。

 新築のマンションでは倒壊の危険性は皆無ですが、特に揺れの激しい高層階では、家具の転倒には十分な備えが必要となります。そして、12%が火災による死者となっています。

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阪神淡路大震災 火災

写真出典:神戸市ウェブサイト 神戸市:阪神・淡路大震災 消防職員手記(兵庫消防署)

 

【火災について】

 私たちが住む赤松町は、「赤松自治会だより」創刊号で示したように400戸余りのクラスターとなっているため、1件の火災が赤松町全域を延焼させる火災となりかねない怖さがあります。市の防災マップ等で紹介されているクラスターは500戸以上のクラスターのみで、下図の様な100戸以上のクラスターは紹介されていない。

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赤松町クラスターエリア

 地震の際の火災で、出火原因の大半は電気に起因するものです。特に地震が原因で停電となった場合、転倒した暖房器具等によって、停電した電気が復旧した際に出火する「通電火災」が起きます。 

 この電気を起因とする火災を予防するには、ブレーカーを落とす事が極めて有効です。地震によって避難する場合は、必ずブレーカーを落とすことが必要です。あるいは、「感震ブレーカー」といった強い地震の揺れを感じると自動的にブレーカーを落とす装置の設置が有効です。現在、茅ヶ崎市では感震ブレーカー等設置費補助金が、申請する事で交付されます。但し、自治会単位で「まちぢから協議会」を通しての申請が必要ですので、今後は赤松自治会でも準備を進めます。

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感震ブレーカー

 写真に示した感震センサーは、震度5以上を検知すると擬似的に漏電電流を流し、漏電ブレーカーを落とすタイプになります。従って、漏電ブレーカーが設置され、かつアース端子が付いたコンセントが必須となります。このタイプは少々高価ですが、地震で玉を落下させて、物理的にブレーカーのスイッチを落とす物より信頼性は高いと言えます。また、玉を落とす様な構造の物を設置出来ないタイプのブレーカーも増えていますので、これを推奨しました。

 市が推奨する感震ブレーカー製品一覧

 この感震ブレーカーはすべての電源を落とすため、夜間の震災発生時には真っ暗になります。(一部の感震ブレーカーは停電になっていない限り、ブレーカーを落とすまで3分間余裕を持たせています。)

 その様な事態に備えて、非常灯か懐中電灯が必須となります。そこで便利なのが、下記の写真のような非常灯兼用の懐中電灯です。停電になるとLEDライトが付き、取り外して懐中電灯としても使えます。普段は足元灯としてわずかな灯りが点灯しています。

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非常灯兼用懐中電灯

 さらに、万が一の火災発生時は初期消火が有効ですので、各家庭には消火器を常備するように心がけましょう。私の家では下の写真の物を居間に設置しました。粉末タイプで、有効期間10年間です。

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家庭用消火器

 また、2006年、消防法の改正で全国の新築・既築全ての住宅に火災警報器の設置が義務付けられました。皆さん、ご存じだったでしょうか。ちなみに、私は遅ればせながら、一昨年前に設置したばかりです

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火災警報器

 火災に関して『震災時、茅ヶ崎市では「火災」が怖いって知っていますか?』という資料が公開されています。是非一読下さい。

2.風水害

 私たちが暮らす神奈川県茅ヶ崎市は、相模湾に面した気候温暖な地域でありますが、西側には相模川があり、台風による水害が過去に発生しています。また、相模川に流れ込む河川にも氾濫の危険があり、河川の流域に暮らす方々は洪水の被害を恐れて暮らしています。

 2014年の小出川氾濫時のYoutube映像です。

 昨年の台風19号の時は、記録的な豪雨となり市内の一部、約4万5千世帯に避難勧告が出されました。その際は、市の配備職員が各地の避難所に指定された小学校等で、避難所開設に尽力されました。また、未だかつて無い大勢の方(8,358人)が避難され、一部混乱したようですが、大きな被害も無く台風は通過しました。この

 赤松地域は河川の氾濫を恐れる必要はありませんが、局地的な集中豪雨による内水氾濫の恐れは拭えません。赤松地域に降った雨は、下水管を通って、東海道線をくぐり海へ排水されますが、下水管の流せる流量に上限があるため、想定雨量を越える豪雨になると道路にあふれ出します。特に市街地では、アスファルト等で道路が覆われており、雨水が地面に浸透する場所が少ないため、下水管の処理能力を超えやすくなっています。赤松地域内でも、低めの場所に住んでいる家庭では、浸水を考慮した家具類の配置を考える事が必要でしょう。

茅ヶ崎市防災関連資料より多数引用】

 

3.防災マニュアルについて

 平成26年茅ヶ崎市の各自治会を対象に、「自主防災組織活動マニュアル研修会」が開催されました。この研修成果を元に多くの自治会で「防災マニュアル」を作成し、市のホームページに掲載されています。

www.city.chigasaki.kanagawa.jp

 赤松自治会も遅ればせながら、皆の防災意識を高めるために、防災リーダーを中心に、「赤松自治会防災マニュアル」を作成したいと考えています。

 但し、現状は「新型コロナウィルス感染防止対策」でYU-ZUルームは使用出来ません。ある程度のメンバーが集まれる環境になってから開始する予定です。

 これからの、皆様のご協力をお願いします。